タグ「津波,漂着物」が付けられているもの

  • 震災起因漂流物:米漂着の震災がれき、大量の生物も(読売新聞)(2012年11月10日)

    ワカメ、カニ、ヒトデ…生態系脅かす恐れ

     東日本大震災の津波で流された大量のがれきが太平洋を横断し、この秋から北米大陸の西海岸に本格的に流れ着く可能性が指摘されている。青森から米オレゴン州に漂着した巨大浮桟橋とともに、多くの日本の生物も運ばれ、生態系を脅かしかねない問題として浮上している。

    90種類以上

     青森・三沢漁港から津波で流された長さ約20メートルの浮桟橋は今年6月上旬、オレゴン州・ニューポートに近い海岸に漂着した。海岸に駆けつけた 人々を驚かせたのは、それが巨大であるということだけではなかった。ワカメ、ウニ、カニ、イソギンチャク、ヒトデ、カキ――。日本から大量の生き物が運ば れてきたのだ。

     その種類は、同州立大学ハットフィールド海洋科学センターの研究者らが確認しただけでも90以上あった。ある程度、予想されていたことであった が、その規模は想定をはるかに超えていた。このうちワカメやカニは、現地に生息する在来種よりも繁殖力が強く、生態系に大きな影響を及ぼしかねない「侵略 的外来種」にあたるもので、すべて焼却するなどした。

     「浮桟橋は精緻に作られていたがために、15か月もの間、その内部で多くの生物が守られた。海岸に漂着せず、近くの湾内に入っていたら、生態系にもっと深刻な影響を与えたかもしれない」。サミュエル・チャン同大准教授(海洋生態系)はそう話す。

     閉鎖水域である湾内は海流の影響を受けにくいため、ワカメなどがより根付きやすくなることがその理由だ。在来の海藻にとって、脅威は大きくなる。

     だがこれまでに漂着したがれきは、まだほんの一部でしかない。環境省は、約150万トンが洋上に流れ出たと見ているが、家屋などの漂着が本格化するのは今秋以降で、来年2月にはその量は約4万1300トンに達すると試算する。

     外来種問題がそれに伴い再び浮上する可能性もある。現地の研究者らは、漂着物にくっついた生き物を見つけた場合、砂に埋めて死滅させるなど、生態系に影響を及ぼさない対策をとるよう呼びかけている。

    「カメラで監視を」

     大量のがれきがどこに漂着するかは、海流や天候、地形にも大きく左右されるため未知数だ。地元自治体が処理に苦慮する中、日米の非政府組織(NGO)が8月、オレゴン州で会合を開いて連携策を話し合った。

     出席した環境NGO「JEAN」(東京都国分寺市)によると、米国の出席者からは具体的にどんな物が流れ着く可能性があるのかを知りたいという声 が上がった。また、長崎・対馬などの離島や北海道の沿岸に導入されている漂着ごみの監視カメラをアラスカなどでも活用できるのではないかという意見があっ た。漂着したまま放置しておくと、外来種が根付くリスクもある。

     日本国内10か所で環境省の研究事業として試験的に運用されているこのカメラは、画像解析でプラスチックごみの量を判断し、定期的に画像を国土技 術政策総合研究所に送信している。画像解析を行っている日向博文・同研究所沿岸域システム研究室長は、「ごみは人が出入りしにくい場所にも漂着するので実 態把握が難しい。北米沿岸でもカメラは有効だろう」と話している。

    (2012年9月3日  読売新聞)
     
1
最近のエントリー
カテゴリー
注目のキーワード
ICC
クリーンアップ会場
クリーンアップ会場はこちら

↑このページの先頭へ