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  • 通信:DASA-9&うみそうじん 第三話「お腹は牡蠣でいっぱいの巻」(2011年06月09日)

    ※「美しい海をこどもたちへNo.21」(一般社団法人 JEAN、2011年4月発行)より転載。この原稿は、2011年4月に執筆されたものです。

    JEAN理事 藤枝 繁  

    =====

    たくさんのプラスチックパイプに誘われて、浅瀬にたどり着いたうみそうじん。顔を上げると隣には大きな朱色の鳥居が海に立っています。そう、ここは瀬戸内海の広島湾、世界遺産の厳島神社がある宮島の海岸です。たくさんの観光客とは反対に、海岸にはたくさんのプラスチックパイプ。うみそうじんがいくら食べてもまだまだあります。まこと博士に尋ねてみることにしました。

    「この長さ20cmのものはパイプスターだよ。産卵場所はこの広島湾。瀬戸内海の西部にたくさん生息しているんだ。」

    「一体どれぐらいいるんですか?」

    「そうだね、こいつは海岸だけでなく、瀬戸内海の海面を漂流したり、海底にも堆積しているんだ。ぜんぶ合わせると1,600万本ぐらいいると言われているよ。もちろんその卵は年間3億2千万個もあるそうだ。すごい量だね。」

    「えー!そんなにあったら、ボク1人では食べきれないよ。」

    今日のうみそうじんのお腹の中には、おいしそうな牡蠣が一杯です。

    =====

    【解説】瀬戸内海の海岸に大量に漂着している直径約1.5cm、長さ約20cmのポリエチレン製パイプ。これは広島湾でのカキ養殖に使用されているもので、沖合のカキ筏の下にカキ幼生を付着させたホタテガイ殻(コレクターという)を吊り下げる際に、コレクター間に間隔を設けるために使用されるものです。2006年に行った瀬戸内海全域251海岸での調査の結果、このパイプの発見率(漂着密度0.1個/m以上の調査海岸数の割合)は、広島県から西の海域で特に高いという結果が得られました(図1)。このパイプは、北太平洋に生息するコアホウドリの体内からも発見されており、瀬戸内海だけに大量漂着するのではなく、豊後水道や関門海峡から外海へ流出していることが危惧されています。このパイプの年間使用量は約3億2千万本にものぼります。海域で使用される漁業資材については、管理が不適切であればすぐに海洋に流出してしまうため、使用者は細心の注意とより一層の発生抑制に向けた具体的行動が求められています。

    参考文献:藤枝 繁(2011)「瀬戸内海に漂流漂着するカキ養殖用パイプ類の実態」『日本水産学会誌』77(1),23-30

    DASA-9&うみそうじんの詳細は http://marinelitter.seafrogs.info/?day=20100601 をご覧ください。

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