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  • 通信:定点調査を終えました~東シナ海・海ごみプロジェクト(2011年05月25日)

    ※「美しい海をこどもたちへNo.17」(一般社団法人 JEAN、2010年2月発行)より転載。この原稿は、2010年2月に執筆されたものです。

     

    JEAN 五島 宏  

     2010年1月末に3ヵ年にわたって続けてきた東シナ海・海ごみプロジェクト(*参照)の定点調査を終えました。2007年9月の第1回調査から隔月で全15回、福江島(長崎県五島市)の北部の半島の先端部、八朔海岸(岐宿町)で海岸ごみの全量回収、調査作業を続けてきました。

     対象となった場所は、弧を描いた150mほどの岩盤と砂の海岸です。1年目の6回の調査では海岸を38区画にわけて回収したごみすべてをICCの手法に則って個数、重量を計測しました。多いときには30以上の大きなごみ袋のもの全部の調査を行いました。30人体制で回収に一日、計数作業に一日、ずーっと大小のごみとにらめっこ。さすがにこれは大変でした。

     また、必ずしも天候に恵まれてきたわけではありません。そんな日は当然ごみもぬれるわけで、室内で乾かしてからの作業になります。海岸クリーンアップ経験者にはわかると思いますが、この部屋のかぐわしいことと言ったら!…長時間いると鼻が曲がって人相が変わりそうなほどです。

     そういう中で作業を続け積み重ねたデータを研究プロジェクトに提供してきました。もちろん研究者の方々も一緒に現場の作業を実施しましたし、地域の方々にも参加をお願いしながら一緒に作業を進めてきました。

     こうして集めた膨大なデータと4人の研究者の調査、研究作業から、どこから流れ出たごみがいつ頃どのあたりに流れ着くのか、コンピュータを駆使しながら予測、予報できるようになってきました。その内容はプロジェクトHPで見ることができます。現場での地道な作業の積み重ねが大きな研究成果として表れてくることがわかると、なんとも感慨深いものがあります。

     そして目に消えない成果として、市民、NGOと研究者の協働、相互連携とそこから生まれた、人と人のつながり、さらにこの研究、作業にかかわった人たちの考え方や意識の変化もあげられると思います。

     3年というと長いようですが、通った立場からするとまさにあっという間でした。「あれ?もう終わり?」という印象です。あと15回くらいやってもいいんじゃないかなあ、データもたまるし…などと思っています。でも、ごみを拾いに行きたいわけではなく、ともに作業をしてきた人たちと会いたいし話したいのです。いや、それも違うなあ。やはり現場で作業をして、今日は暑かったとか、今回は細かなごみが多かったとか、そういうところから季節や風や波、汐の具合などを一緒に感じたりする、きびなごの刺身には酢味噌だよねとか、そういうことが楽しいしおもしろいからだと思います。

     この間、プロジェクトにかかわっていただいたすべてのみなさんにお礼を申し上げます。本当にお世話になりました。ともに作業をした時間以上にいろいろなものをいただいたと思っています。そしてこの取り組みが、福江島や奈留島、五島列島全体の海岸がきれいになっていくことにつながっていくことを期待しています。

     そして、ぜひ近いうちにごみのなくなったきれいな海岸でお会いしたいと思います。

    =============

    *東シナ海・海ごみプロジェクト <http://www.umigomi.com/>

    正式名:市民と研究者が協働する東シナ海沿岸における海岸漂着ゴミ予報実験

    ・サブテーマ1 漂着予報部門:海洋数値モデルによるゴミ発生源の特定と漂着予報

    ・サブテーマ2 海岸調査部門:NBO/CBO/地域住民と連携した海岸踏査による

            漂着ゴミの実態調査

    ・サブテーマ3 レーダー観測部門:短波海洋レーダーによる漂流ゴミ収束域の特定と

            海洋数値モデルの精度検証

    ・サブテーマ4 空撮部門:空撮による漂流ゴミ収束域の調査

    海岸漂着ごみを調査、分析した結果をもとに、ゴミがどこで発生し、どこを流れて、いつ、どこに、どの程度漂着するのかを予測し、漂着ゴミを減らそうという壮大なプロジェクトです。愛媛大学が中心となって、東京大学、国土交通省国土技術政策総合研究所、産業技術総合研究所、JEAN/クリーンアップ全国事務局、長崎大学、九州大学の学生がかかわった協働研究プロジェクトです。

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