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  • 通信:韓国済州島で行われた「2010 NOWPAP ICC & ワークショップ」(2011年05月30日)

    ※「美しい海をこどもたちへNo.20」(一般社団法人 JEAN、2010年12月発行)より転載。この原稿は、2010年12月に執筆されたものです。

    JEAN 大倉 よし子  

     

     「NOWPAP ICC & ワークショップ」は、2006年に山形で行われたのを皮切りに、北西太平洋沿岸国で続けてきた国際海岸クリーンアップ(ICC)への参加と海洋ごみ問題への取り組みについて、各国の取り組みの報告や関係団体からの発表・意見交換をする会議です。NGO組織枠でJEANも招聘され、大倉が参加・発表をしました。韓国のOSEANも同様に参加、ICC実施時の説明や指導をしました。

     今回のテーマは「海洋ごみ調査とモニタリング」と「NOWPAP地域での政策と最優良事例」の二つで、主に、ICCのコーディネーターを勤める各国代表が、モニタリングやICCの結果や経過を報告し、政府関係者が政策などについて発表しました。それぞれのセッションごとに討論の時間を設け、会場の関係者・地元参加者も加わり、質問や意見を交わしました。

     ICCへの参加歴は、日本は20年、韓国は10年と長期の調査結果を持っていますが、ロシアや中国はそれぞれ3年と短いため、調査手法やデータのまとめ方なども「経験のある日本や韓国に学びたい」とのことでしたが、両国とも、海洋ごみ問題への取り組みは続けてゆき、ICCへの参加も続けたいという意向が強くあります。

     JEANは、20年間のデータをまとめ、日本の2009年のワースト10のごみ個数の増減を過去に遡りグラフで示し、背景の出来事などとあわせて傾向を説明しました。OSEANも韓国の10年間のデータの増減について、こちらは、国際結果と比べての発表でした。中国は、2007年にICCを開始、会場数が9会場から2009年には34会場に増加しました。また、残念ながら、今回も出席はありませんでしたが、2008年にICCコーディネーターを市民団体から選出しています。ロシアの2010年の会場数は7箇所ということです。

     どの国でも、プラスチックごみが多く、東南アジアや南シナ海から出席した関係者も削減には苦慮しているとのことでした。ロシアは極東地域のウラジオストク周辺でクリーンアップをしていますが、ごみのほとんどはプラスチックと生ごみだという話です。

     その後の、今後のICC実施も見据えての討議では、韓国政府が海洋ごみ削減に熱心だという話がありましたが、実際には、地元済州島の行政や地域のNGOからみると、国の支援が少ない、内陸部からのごみが多いのに対処してくれないなどの意見が出ていました。中国や、特にロシア極東地域では、中央政府が遠く、認識がなく無関心で、地方はお金がないなどという発言もありました。

     次の政府関係者の政策などについてのセッションでは、それぞれの国の政策や重点計画などが述べられました。皆さんは、2008年のウラジオストクICCについての報告をご記憶でしょうか。会場近くのごみ処理場を視察したときの話です。ごみの量といい、自然発火して白煙を上げているという驚きの野積みのゴミ捨て場...。そのときの参加者の反応がよほどこたえたのか、その後、新たな処分場の建設が始まり、分別して処理できる施設ができつつあるとのことでした。 NOWPAP調整官のトゥカーリン氏の総括では、直接・間接的な中央から地域への国の支援が重要であること、国内の省庁間の協力も必要であり、情報の共有を進めるべきだということが指摘されました。また、ごみ増減の傾向をみると、行政の政策が品目によっては効果を見せているので、政府が奨励策や禁止条例などをもっと取り入れたらどうか。また、海洋ごみ削減には、「原因」を解明することが重要だということを認識したとのことでした。

     5年目となったNOWPAPのICC参加ですが、2011年に中国が次回の開催を決定したことや、それぞれの国がお互いの取り組みに刺激されたり、国の実情を知らせることで思いもよらない反応に迅速な対応をみせたりという進展が見られるようになりました。よりスピーディーな取り組みが求められる海洋ごみ問題です。今後もさらに積極的に各国政府がこの問題の解決を目指してほしいものです。

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