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通信:「こども海ごみフォーラム」長崎県五島市福江島で開催

2011年05月26日 カテゴリ:2010 , 美しい海をこどもたちへ

※「美しい海をこどもたちへNo.19」(一般社団法人 JEAN、2010年8月発行)より転載。この原稿は、2010年8月に執筆されたものです。

 08年と09年に、漂着物を題材にした離島の小学生の交流事業を、助成金により実施しました。今年は「海フェスタながさき」という行政イベントの一環として、五島市が主催し、JEANをはじめこれまでの関係者が協力して、事業の経験を活かしながら、今後につながる・広がる体験活動として育んでいこうと企画や運営を行いました。漂着物や海洋ごみにかかわる環境学習の参考としていただければ嬉しいです。

実施期間 平成22年7月24日(土)~26日(月)

主  催 五島市 後援 五島市教育委員会、対馬市、対馬市教育委員会

協  力 長崎大学教育学部 中西研究室、九州大学大学院工学研究院 清野研究室

    東シナ海ビーチコーミング友の会、五島海岸愛護会、東シナ海海岸ゴミ調査会、

    浜千鳥会、大浜海業振興会、高崎漁民団ほか

参加児童 24名(対馬から11名、五島から13名/5年生1名、4年生23名)

プログラム 地引網体験(獲れたものは昼食のおかずに)、教会見学、海岸での宝探しと散策、魚見櫓見学、漂着物授業、ビーチコーミング、海についての授業、海辺の標本箱作り、漂着物壁新聞づくりなど

 このフォーラムでは、日頃から漂着ごみで困っている離島の、こども同士が交流しながら、「ごみ」だけではなく漂着物全体に目をむけ、海の楽しさや、地域の魅力に触れながら、海の環境やごみについても考えてもらおうと、さまざまなプログラムを用意しました。全体の学習の要となるのが漂着物ですが、4年生では集中力も長くは続きませんので、こどもたちが興味を持ち、面白そう!とわくわくしながら参加できるような仕掛けとして「宝探し」と「なんだろうBOX」を取り入れました。

 宝探しでは、海岸の漂着物に事前に番号シールを貼っておき、一人1個ずつそれを探して、翌日番号に該当する珍しい漂着物がもらえる、というもの。

 「なんだろうBOX」は、中が見えないように工夫したダンボール箱を用意し、横に開けた穴から手をいれて中のモノを触り、感触や形、重さなどから、どんなものが入っているか想像し、言葉や絵で表現するというもの。ゲーム性を取り入れたことで、こどもたちは夢中になって考えていました。お宝を渡したり、箱の中身を説明するときは、中西先生に解説やコメントをお願いしました。こうした導入から、漂着物事業やビーチコーミング、壁新聞づくりにつなげていきました。

 「漂着物壁新聞」では、ヒントを与えながら記事をまとめていきましたが、大人の想像を超えるような意見や考え方が出され、こどもたちの感性の豊かさが表れた紙面になりました。

 また、地引網や魚見漁(福江の高崎地区にだけ残る伝統漁法。高い櫓から、魚群が湾に入ってくるのを見つけて、魚見役の合図によって船が漁を行なう)を紹介しましたが、地元の水産業について伝えるのは、大人にとってもいろいろ考えさせられる一コマでした。豊かな海あっての水産業も、昔に比べて陰りがあること、魚見の後継者がいないことなど、深刻な現実をどうすればいいのか、こどもたちにはどのように伝えていくのかなども今後の課題です。

 地引網体験で、一連の作業を手伝っている小学生に出会いました。参加児童と同じ4年生で、海と漁が大好きで、毎週金曜日に学校から帰ると、漁業をしている親戚の家に泊まりにきて、漁にも一緒に行くのだそうです。荒天で出漁しない日は、不機嫌になってしまうというその少年は、漁師になると公言しています。彼が大人になるころ、五島の海はどんな様子なのだろう、豊かで健やかな海であってほしいと願わずにいられません。

 このフォーラムは取り組みとしては小規模なものですが、地道に開催していくことにより、他の離島からも参加を募る、さらに企画段階から中学生、高校生などを交えた運営体制をつくっていくなど大きな可能性を持っています。そのような取り組みの積み重ねによって、親やまわりの大人の意識が変わっていくことを期待しています。

 こども海ごみフォーラム2010イン五島の報告書(簡易なもの)は、9月中旬頃完成予定です。ご希望の方はJEANまで。

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